今年は行きたいと思った展覧会は、前売りの段階でゲットしています。
マティス展もそのうちのひとつ。
QRコードになってから、チケットを携帯してなくてもいいし、なくす心配もないので、思いつきで出掛けられて便利です。
近い将来、マイナンバーカードもスマホで出来る時が来るらしい。
使えないなんて、言っていられない時代ですね。
マティス展、去年、行ってるんですよね。
すごく良かった。
そういう印象でした。
2023年マティス展
今回は、マティスというだけで飛びついたので内容を知らず、切り紙絵ばかりかと思っていました。
前回は、世界最大規模のマティスコレクションを所蔵していると云われているポンピドゥーセンターからの出展でしたが、
今回は、フォーヴィズム時代の油彩画、彫刻。
実業家バーンズ氏から依頼があった大型壁面から用いるようになったダンスの習作。
陶芸からテキスタイルまで、終の棲家となったニースに、マティスと相続人が寄贈した作品が中心のニース美術館からの出展でした。
若い頃の写実的、印象派的なもの。
セザンヌが好きだったというマティスですが、モネへのオマージュ?かと思われた
『日傘を持つ婦人』(1905年)があったのは興味をそそりました。
前半は、写真NGなので、掲載の写真は晩年の作品からになります。
壁面に飾られた切り紙絵の大作『花と果実』(1952-1953年)は、本展のための修復を経て、日本初公開だそうです。
マティスの真骨頂、抜群の色のセンスがうかがえます。
この切り紙絵という表現スタイルになったのは、病気でからだが不自由になったからでもあるそうですが、
それまでのマティスは印象派を意識した時期、スーラと出会って点描の絵を描いていた時期などもあったのです。
『20世紀アートの父』と呼ばれるのは、アートを写実という形から、見えるものの形を変えたことです。
今、当たり前になったピクトグラムも、マティスの功績に間違いないと感じます。
このシンプルな絵、
『木(プラタナス)1952年』
『大きな顔、仮面』(1951年)
『葦の中の浴女(1952年)』切り紙絵
マティスは、この絵が降りてくるまで、多くのデッサンを描くそうです。
今回のポスターに使われた
『ブルーヌードIV』
ピカソは、マティスの才能にとても嫉妬したそうですが、
このアンフォラを持つ題材はピカソ作品でも多数あって、心を動かされます。
簡潔なフォルム、魅力的です。
『アンフォラを持つ女』(1953年)
この顔シリーズは、日本で開催された個展に来日が叶わなかったマティスが読売新聞社に寄贈した3枚のうちの一枚。
『顔』(1951年)
『顔』(1951年)
『顔』1951年 すべて読売新聞社蔵
文芸春秋の表紙もデザインされました。
作品展では、マティスの多歧に渡るに作品が紹介されていますが、
そのひとつにモンテカルロバレエ団の舞台衣装がありました。
なんだか遠くから見ると千代紙みたいですが、切り紙絵。
山下清に通じる一筋さを感じます。
『蜜蜂』(1948年)
さて、ここからは、前回も展示や映像で知ることの出来たマティス最晩年のお仕事です。
ヴァンスの礼拝堂から。
『聖ドミニクス』(1949年)
『星形の背景の聖母子』(1949年)
前回とは違った演出が見られます。
『祭壇の上の磔形像』(1949年)
『ヴァンス礼拝堂の外観のマケット1/20』
色とりどりの祭服
実に楽しい世界。
宗教はこんなに自由でいいのだ
と、思えてきます。
やっぱり切り紙絵からのデザインになるのでしょうか?
最後の展示室には、礼拝堂内が再現されていました。
時間によって変わる光の入り方を綿密に考えたというステンドグラス。
この美しく無駄のない色にもぎゅっとココロ持って行かれます。
やっぱり好きです、マティス。