特別展【茶の湯】に行ってきました。
東京国立博物館が「茶の湯」をテーマにした大規模展を行うのはなんと37年ぶりなんだそうです。
会場の平成館、茶の湯ファンってこんなにいらっしゃるの?と驚く、平日にもかかわらずの大混雑でした。
それを見越してオンラインでチケットを購入していましたが、入口の売り場はそれほどでもありませんでした。
「400年忌千利休展」以降、茶の湯史上最高クラスの名品が集まるという展覧会です。
「一生に一度の茶の湯展」というのも嘘ではないかもしれません。
出展されている名品を各美術館に行って観て歩くことを考えたら、とてつもな労力です。
先日、「開運 なんでも鑑定団」で世を賑わせた、世界には3点のみと言われている国宝”曜変天目”は、下調べなしで行ったのにもかかわらず出逢うことができ感激でした。
静嘉堂文庫所蔵のものですが、静嘉堂でも常設ということではない大変貴重な品です。今回、期間限定なのにもかかわらず拝見できたのは幸運でした。
茶碗の中に宇宙があります。本当にすごい!
先日寄ることができなかった京都北村美術館からは、これが仁清!?というとてつもないアーティスティックな”色絵鱗波文茶碗”が出展されていました。
実に嬉しかったです。
足利義政氏がひびが入ってしまった茶碗を、窯元の龍泉窯にこれと同じものをと茶碗と一緒に送ったところ、「これに勝るものは作れない」と、鎹(かすがい)を打ち込んで送り返されたという青磁茶碗はその透き通る色味も繊細な輪花の縁も素晴らしいのですが、鎹はまた金継ぎと異なる景色があり、そのストーリーもですが心に響きました。
チャン・イーモウ監督、チャン・ツーイー主演の『初恋のきた道』という映画は、雄大な中国の景色を背景に山村に住む健気な少女の初恋を描く純愛映画ですが、割れた陶磁器を接いで使うシーンがあって、それまでそんな直し方があるのかと驚きました。
まるでそれは、ホチキスで割れた部分を接ぐようなを乱暴な感じがしたことを覚えています。
そんな鎹の姿を見るのも初めてだったので、こちらは名品というだけでなくかなり印象的でした。
茶入では、徳川記念財団から出展されている”初花”が名品中の名品。
これをもう一度見れたと感激しておられる方が観覧している時に近くにおられました。
初花(はつはな)は、楢柴肩衝・新田肩衝と並んで天下三肩衝と呼ばれた茶器で滅多にお目にかかれない品だそうで、かの豊臣秀吉が、富の象徴として手に入れたかったそうです。
また、春秋のみの公開の庭園にある小堀遠州が披露のために建てたという転合庵。
その桂宮から賜ったという茶入”於大名”も拝見することができました。
小さな茶入のために茶室を建てたというのもこれまたスゴイ話です。
とにかく、この特別展は国宝、重要文化財がザクザクあります。
そういうものは訳あってその勲章を得ています。
わからない私でも輝くものが見えます。
そしてこの機会は生きているうち、もうないかも知れません。急げ!
知らない部分の国立博物館もたくさんあったのだと今回知ることができまして、また日を改めて再訪したいなぁと思いました。
その一つが本館の裏にある庭園です。 春秋だけ公開だったから知らなかったのか?
いつも特別公開とほんの少し常設を観てエネルギーを使い果たしていたからなのか?
まったく気が付いておりませんでした。
情報はきちんと得ておくべきですね。
呈茶席があることも知りませんでした。
しかしそのハードルは高く、50席くらいはあったと思いますが、友人と待ち合わせた11時、すでに最終の回以外は満席でした。
”六窓庵”
”応挙館”
”九条館”
- 2017.04.21 Friday
- 美術館・ギャラリー
- 20:06
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- by kisetsuomederu