最終週は人数が集まれば花月をさせていただいていますが、今年はわがままを言って、茶箱のお点前をもう一度させていただきました。選んだのは【花点前】
長緒や仕覆の扱いがあることが、【月点前】の後に復習を兼ねることになるかな?と思ったことや、【卯の花点前】で使う山道盆ではなく、花形盆を使うことに興味が湧きました。

茶花は、桜蓼、高砂木槿、不如帰、角虎の尾。お軸は、我心似秋月(わがこころしゅうげつににたり)日本人は、いにしえの昔から月を愛でたり、気持ちに置き換えたり、ですね。

紫の可愛らしい吊り鐘型の花、イワシャジンというのだそうです。そして、八重木槿。

さて、今日も以下は備忘録。

【花点前】
花点前は春に寄せて十一代玄々斎が考案されました。雪点前とほぼ同じ道具組で、掛合がなく盆を使います。箱は利休形が最も適当で、盆はカンナ目爪紅の花形盆を使用しますが、これに準じた大きさの盆であれば代用できます。

棗は小ぶりのものを選んで仕覆に入れ、それを茶碗の中に仕組み、茶碗を袋に入れて緒を長緒に結び、箱の手前に入れる。
茶筅は茶筅筒に入れ箱の右向こうに仕組み、対角を取って絞った茶巾を茶巾筒に入れ茶筅筒の手前に仕組みます。
振出しに金平糖などの菓子を入れ箱の左向こう仕組みます。
茶杓は(中節、象牙どちらでもよい)、袋に入れて茶碗の上に掛ける。
古帛紗を茶杓の上に置き、捌いた帛紗をその上にのせて箱に蓋をし、箱を盆にのせる。

【花点前】道具拝見ありの点前
1、盆にのせた箱を建付けに置いて総礼し、瓶掛正面に進んで盆を置く
2、建水を持ち出し瓶掛正面に坐り、盆を持って客付の方斜めに回って(居前)盆を置き、居前のままで箱を勝手付に置き、箱の蓋を取って箱の右側に置く。
3、箱の中の帛紗を右手で取って捌き直し、左手を盆に添えて三の字に盆を拭く
4、帛紗を盆の左縁に掛けて置いて、箱の中の古帛紗を右手で取り出し箱の蓋の上に置く。右手で茶杓を取り、袋のまま古帛紗の上に置き、次に右手で振出を取り、左掌で扱い回して客付に出し総礼する(すぐに正客は振出しを取り込む)
5、箱の中の茶碗を左手を添えて両手で出し、盆の上で袋の紐を解き、伸ばし、左掌に乗せて茶碗を袋から出し、袋を手前に二つに折って左手で箱に入れる
6、茶碗の中の、棗の仕覆の紐を一つほどき、左掌に乗せて紐を伸ばし、袋から出し、棗は盆の中央少し向こうに置き、仕覆は打ち返さずに左手で箱に入れる。
7、右手で古帛紗の上の茶杓を取り、袋から出し、盆の縁右手前にかけて置き、袋は結んで左手で箱に入れる。
8、茶筅を茶筅筒から出して茶碗に預ける
左手で箱から茶筅筒を出し、右手に持ち替え、左人差し指で茶筅の軸を底から突いて2〜3cm程度筒から出し、茶筅筒を左手に持ち替え、右手で茶筅の穂の部分を持って筒から取り出して茶碗の右側に預け、左手の筒をそのまま箱に戻す。
9、戻したその手で茶巾筒を取り出し、茶巾を二手で逆手に取り、茶巾を取り出し盆の縁右横に茶巾の耳をかけて置き、茶巾筒を箱に戻す。
10、茶巾筒を箱に戻したら、箱の蓋を古帛紗をのせたまま持ち、箱に蓋をして両手で箱を進め、左手で建水を進める
11、右手で帛紗を取り、捌き直して棗を拭き、元の位置よりやや左に寄せて置き、帛紗を捌き直して茶杓を拭き、元の位置へ掛けて置く
12、帛紗を右手に持ち替えて鉄瓶の蓋を閉め、左手で鉄瓶を取って右手の帛紗で蓋を押さえて湯を茶碗に入れる。鉄瓶を戻し、帛紗を盆の縁左横に置く
13、茶巾をたたみ直し元の位置に置く
右手で茶巾を逆手に取って持ち直し、たたみ直して盆の中央より右寄り置く
14、茶筅通しをして、茶筅は棗の右に置き、湯を建水に捨て、茶碗を拭いて茶巾を戻す
15、お菓子をどうぞ
右手で茶杓を取り、「お菓子をどうぞ 」と言ってお菓子をすすめる
16、棗を取って右手で蓋を取り、茶杓のあった位置に掛けて置いて茶碗に茶を入れ、棗に蓋をして戻し、右手の茶杓も元へ戻す
17、右手で帛紗、左手で鉄瓶を持ち蓋を押さえて湯を入れ、鉄瓶・帛紗を戻して茶を点てる。
箱の上の古帛紗を右手で取り、左掌で扱って客付に拡げて置き、茶碗を古帛紗の上に出す。
正客の「お点前頂戴いたします」の挨拶を受け、茶碗の返りを待つ
18、返った茶碗を右手で取込んで盆に置き、古帛紗を右膝横に取り込んだら、茶碗に湯を入れ建水に捨てる。
19、お仕舞の挨拶につづいて道具拝見を請われると受けて、帛紗を取り左手で鉄瓶の湯を入れ、帛紗を元へ置き、茶筅通しをして、茶巾で茶碗を拭き、茶巾は茶碗に入れておき茶碗を置いて、茶筅を茶碗に入れる
20、右膝横の古帛紗を右手で取り、盆の右横縁に縦にかけて置き、建水を引き、両手で箱を引く
21、その手で箱の蓋を取って客付に持って回り、膝前に置き、右手で帛紗を取り捌き直して棗を拭き、蓋の上の中央に置く。再び帛紗を捌き直して茶杓を拭き、棗の左に置く
22、帛紗を建水の上で払い、右手で元の位置へ戻す
23、両手で蓋を持ち、右向こう左前と回して拝見に出す
24、居前に戻り、両手で箱を持って客付に回り、膝前(下)で右向こう左前と回し蓋の右に出す
25、居前に戻り右手で茶碗を盆中央に置き直し、盆の左右の縁に掛けておいた古帛紗と帛紗を、両手で同時に盆の中へ落とし込む
26、両手で盆を持って瓶掛正面に回り、盆を勝手付に置き、建水を持って水屋へ下がる
■正客は、棗・茶杓、蓋も拝見し、 次客に送り、茶筅筒、袋等、箱も拝見し次客に送る
出会いで道具を出された位置に返し、蓋・箱につづいて振り出しを返す
27、拝見が終わり道具が戻ると、亭主は出て道具正面で挨拶をし、道具についてお尋ねに答える
28、両手で蓋を持ち、瓶掛正面に回って膝前に置く
29、両手で箱を持ち、瓶掛正面に回って勝手付の盆の下座に置く
30、瓶掛正面に向いたまま右手で客付の振出しを取り、蓋の右に置き、
31、右手で茶碗の中の茶筅を取り、左手で茶筅筒を取って茶筅を入れ、茶筅筒を左手で箱に入れる
32、次いで右手で茶碗の中の茶巾を取り、左手で茶巾筒を取って茶巾を入れ、茶巾筒を左手で箱に入れる
33、左手で茶杓の袋を取り出し、茶杓を袋に入れて、右手で盆中の古帛紗の上に置く
34、左手で棗の仕覆を取り、棗を入れ緒を結び蓋の上の少し向こうに置く
35、盆の上の茶碗を右手で持ち、左手を添えて蓋の上に置き、棗を茶碗に入れ茶碗を蓋の中央に置き直す
36、左手で箱の中から袋を出し、茶碗を袋に入れて長緒に結び、 箱の中に入れる
37、茶碗を箱中に入れ、つづいて振出しを入れる
長緒に結んだら茶碗を両手で箱の中に入れ、右手で振出を取り、左掌で扱って右手で箱に入れます
38、茶杓を茶碗の上に置き、その上へ古帛紗を置く
39、右手で帛紗を取って鉄瓶の蓋を切り、捌き直して箱の中の古帛紗の上に置く
40、両手で蓋をして箱を盆の上に置き、盆を瓶掛正面に置き直す
41、盆を持って水屋へ下がり、茶道口建付けに置いて総礼

Comment
にのさん
コメントをありがとうございます。

にのさんは伝統文化である茶道は、今までの慣習通りの方が好ましいと思っていらっしゃいますか?

私は、備忘録として文章でブログに上げさせていただいておりますが、
教本ではわからないことばかりなので、文字だけでは伝わりにくいと思っております。
現に足の運びや緒の結び方は、YouTubeにお世話になったりしております。

ネットで公開している様々な方がいらっしゃいますが、私は大好きな茶道がより多くの方に伝わって、興味を持って好きになっていただけたら、この総合芸術の茶道が、敷居の高いものでなくなるのでは?と、考えることもございます。

そういう意味でも、私がご指導いただいている先生は頭の柔らかい方かもしれません。

まだまだ修行中の身ですので、間違いも多々あるかと思いますが、これからもよろしくお願いいたします。
  • kisetsuomederu
  • 2018/09/30 21:34
こんにちは!
茶道に興味がありWeb内を検索したところ、こちらのサイトを見つけまして拝読いたしました。とても丁寧にお点前の手順が記録されていてすっかり見入ってしまいました。

不躾なのですが、一点、茶道に関するブログの掲載内容について、質問がございます。

詳細なお点前手順や写真の掲載については、所属されているお流派の許可をいただいて掲載されていらっしゃるのか、もしくは、特段許可などは得ずに掲載されていらっしゃいますでしょうか?

ともいいますのも、
今回、たまたま検索して見つけましたこちらのブログには、お点前の名前や手順、写真も含めて詳細に記録されていらっしゃったので、とても素晴らしいと思った半面、正直驚いてしまいました。
(こんなに細かく情報を公開して良いのか、、と純粋に思ってしまった次第です。)

茶道というのは、伝統文化でそれぞれのお流派で、細かい手順が受け継がれています。
例えば、先生に弟子入りしたとして、先生から受け継がれるお手前に関する手順などの内容は、先生と弟子や同じ教室の仲間や組織の間で共有すれば良く、第三者が見れる状態になっているのは避けた方が良い(外部に教えてはいけない)のだと思っておりましたので、ここまで細かい手順を公開されているのは、どうしてなのかなと素朴に疑問を持ってしまいました。


長々と申し訳ございません。コメントのご返信を頂戴できましたら幸いでございます。
(にのさん)
  • ninosan
  • 2018/09/29 16:41





   
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