【流し点】は、特殊点前の一つで、侘びた趣のある点前で、客の真向かいに座って、点前を行なう亭主が親しい方を一人か二人程度客を呼び、和やかに語り合いながら茶を点て、主客ともにくつろいで楽しむ点前だといいます。

ですから、茶室は、広間ではなく小間、大人数ではなく少人数というのが適当であるお点前です。

炉の流し点は古くから伝わってあったのですが、風炉の流し点は、昔あったものが一時中断していたものを、裏千家十三代円能斎が明治二十八年頃、再興されたものだということです。

一番特徴的なのは、水指を置く位置で、運び出して置く時もその置く場所となる貴人畳の角をめざして体を斜めに座ります。
茶碗、棗も、普通より右側に据えた風炉と水指を結ぶラインに置かれることになります。

この日、初めて風炉の流し点を教えていただきました。

おしゃべりなどをすると、手がおろそかになってしまうという具合でしたが、確かに距離を縮めることによって醸し出させた和やかさを感じました。


 終らない夏かと思って向かえた9月。
暑さ寒さも彼岸までと、教えがある通り、秋分の日のお彼岸の中日から、いきなり涼しくなりました。

あんなに暑かった8月。
お茶室、着物姿、たぎる湯の沸く釜の前。
それは、9月、まったく違う環境でした。

汗、少しはかいていたかもしれません。
でも、拭うほどではありませんでした。
お着物も夏用ではなかったのに…。

いただいたお菓子。
季節の栗のものでした。
8月、涼感漂う錦玉をいただいたことが、はるか昔のようでした。
季節は巡り巡って、秋です。

床の花、
薄(すすき) 水引(みずひき) 秋明菊(しゅうめいぎく)。
 
お軸は 『月にススキの図』。
分類するならば、画賛ということになるのでしょうか?
大玄書であります。

秋を存分に感じる設えでした。


 8月、季節限定のお点前、【葉蓋】 と 【洗い茶巾】 のお点前をいたしました。

葉蓋のお点前に使う水指は、本当なら、背の高い受け筒というのを使うのが、裏千家ではお約束になっているようですが、お借りしているお道具でのお稽古なので、かんにんしてくださいませ。
しかしながら、この日使った風炉先の渦や、青楓の平茶碗、葉蓋にした蓮の葉がなんとも涼しげではありませんか?

葉蓋の扱いのお点前は、HPで紹介しております。 


洗い茶巾のお点前はこちらから。


 7月は、夏休みをいただきました。
なので、約二ヵ月ぶりのお茶のお稽古です。
それくらい間が開くと、頭は真っ白。
お点前の記憶ははるか彼方です。
けれど、茶室に入って、湯の沸く音や床の茶花、そしてお茶をいただくと、この時間をあらためて、貴重な時間だということを感じます。

8月、それも今年は本当に酷暑で、35℃を越える猛暑日もかなりありました。
翌日の23日は処暑で、暑さも和らぐはずなのに、日差しはまだ真夏の光を感じ、釜を前にお点前をすることは、拷問に近いとさえ思えるほどです。
夏の茶の湯は修行ですな。
家に戻って、帯を解くとおそろしいほどの汗をかいていました。

先生も、夏は、いつもならお休みとおっしゃいます。
けれど、無理言って、お願いしました。感謝!
月に一度、この時間を持てることが、本当に楽しみですし、格別なのです。

今日、お軸は6月と同じになってしまいました。
「三級波高魚化龍」 香林書というお軸です。
この説明は、6月27日のブログに記しましたので、ご覧になってみてください。

茶花は、先生のお住まいがある富士吉田で、咲き始めたという吾亦紅(われもこう)と、釣船草(つりふねそう)不如帰(ほととぎす)。
花が帆掛船の形に似ているという「釣船草」、虫食いも景色になって風情があります。



先日の茶の湯デザインの本と同じ出版社から出ているこの本を、三井美術館のミュージアムショップで見つけ、やっぱり購入してしまいました。

千利休。
「茶の湯」を完成させたお方として、茶の湯をかじった輩だけではなく、戦国武将好きの歴女、大河好きの老若男女、いえいえ誰もがその名を知っている伝説的なお人です。
「手柄」、「過ち」、いづれなのかとクエスチョンするタイトルをつけて発売された本ですが、【功罪】という言葉をよくぞ選ばれたという思いがいたします。

茶人である編集者は、優れたデザイナーでもあった千利休を、日本初の「クリエイティブ・ディレクター」としてとらえ、実に興味深く掘下げています。

大阪商人の息子として生まれたためにその隠れたDNAは、茶道具を高値で売るという行為にも発展させたですとか、商人として成し得なかった無の境地から、生まれた原動力だとか、面白い尺度で解明しています。

プロダクトから空間、さらにはグラフィックやイベント・プロデュースにいたるまで、あらゆる分野に才能を発揮し、比類なきデザイン性の高い様々なものたちがあるわけですが、茶道具だけでなく、利休が遺したものを写真付きであれもこれもと紹介しています。

茶の湯の三巨人の違いや、各分野のクリエイターが語る利休像も面白い。

茶の湯とは何かを知らない私でも、充分楽しめた一冊です。
茶の湯は総合芸術だといいますから、物を作り出す方々には、何かをインスパイアーしてくれる気がします。

購入したpenブックスの本のブログ
【茶の湯デザイン】の記事
【もっと知りたい戦国武将】の記事

ペンブックス 千利休の功罪 (Pen BOOKS)


台子は、南浦紹明が入宋して法を受け、帰朝の際、風炉皆具一式と共に、筑前の崇福寺に伝えたのが始まりだそうです。
その後、この皆具が、京都紫野大徳寺に贈られ、一休宗純から村田珠光が台子の法を嗣ぎ、この台子によって初めて点茶式方が組み立てられたそうです。

さらに幾代か経て、紹鴎から千利休に至って、台子による茶の湯が完成させたということです。

その後考えられた数々の点茶方法は、すべてこの台子の式法が根本になっているそうです。
この台子を元として、様々な棚物が作られ好まれてきたといいます。
長板も台子の地板を元にしてできたものだということです。

真塗を基本として、及、爪紅、竹、高麗などの台子があるそうです。
台子には、風炉釜、水指、杓立、建水、蓋置を荘るのを原則として、総荘します。
杓立には、差し通しの柄杓と荘り火箸を入れて用います。

この日、お借りした台子は竹台子です。
釜は、富士釜を選びました。

そして、総荘の際、天板に置かれた棗は、芦二蛍蒔絵です。
季節を愛でたことはもちろんですが、ホタルの意匠、とても豪華でした。


上の写真は、茶碗を持って入り、水指前に置き合わせをした時のものです。

台子のお点前はこちらから。


お稽古をさせていただいているお茶室は、お道具もお借りできるのですが、お軸もその一つです。
順番に違うお作品を、一つずつと思っているのですが、今まで、お借りしていた掛け軸は、禅語のものばかりでした。
今回はというと、「三級波高魚化龍」 香林書というお軸でした。

三級波高魚化龍(さんきゅう なみたこうして うおりゅうとかす)
これは、一行書として書かれる、お言葉でした。
中国の夏王朝を開いた禹が、黄河の治水をした際、三段の瀧ができ、これを登る魚は龍になるという故事より、転じて鯉のぼりや登竜門という言葉が生まれ、立身出世の志を表しているのだそうです。 

前回、茶の湯の掛物は、茶席のために書かれたものの他、そうでないものでも茶会の趣旨に適っていればかけることができるのだと、軸の種類などを含め紹介いたしました。
大別すると書、画、書と画が一緒になった画賛の三種。
今日のお軸は、画賛かと思っていましたが、そうではなさそうです。

この言葉は、男児の節句にぴったりなのだといいます。
転じて鯉のぼりというところから、そういうことになるでしょう。
立身出世、男子の望むことでもあります。

「登竜門」 の 『竜門』とは、黄河上流にある竜門山を切り開いてできた急流のことで、その竜門を登りきった鯉がいるならば竜になるということですから、険しい道も切り開いていけば、何者かになれるという意味にもとれますでしょうか?
この日に選んだお軸もこういう解釈でしたら、不適切ということもなさそうです。

 
先生が可憐に籠に活けてくだった花は、シモツケ、アスチルべ、春咲き秋明菊です。

シモツケは、下野の国(栃木県)に多いからということでこの名前になったそうです。
五弁の小さな花がたくさん集まっている花で庭木としても栽培されています。
アスチルベは、ギリシア語で「輝いていない」という意味だそうなのですが、一つ一つの花は小さいけれど、その形態は特徴があり、変化のつけやすい花材のような気がいたします。
春咲き秋明菊の名前の由来は、花の姿が秋明菊(キンポウゲ科、イチリンソウ属)に似ていて、春に咲く事から名づけられたそうですが、北アメリカの湿潤な草原に生える多年草で、現地ではメドウ・アネモネ(別名:カナダ・アネモネ)と呼ばれているそうです。

先生がご持参してくださった香合
今年の干支。寅が描かれています。
エスニックな民芸品は、蔽と通風を両立させた簾戸に様変わりした、風炉の茶室には似合いの茶道具という印象がいたしました。
夏の佇まいに、いい雰囲気です。


茶道をたしなむ方にぜったいオススメの品です。
 
先日、【細川家の至宝】を観に国立博物館へ行った時に出会いました。

雑誌penが単行本になったシロモノです。
このところ、書店に立ち寄る時間がないものですから、全く知りませんでした。
シリーズで、何冊か出ているようです。
この他に興味をそそったのは、【千利休の功罪】 というタイトルのもの。

この本は、Penで大好評だった「茶の湯デザイン」の1+2を再編集、大幅増補した完全保存版だそうです。

商品の説明から抜粋しますと、
受け皿となる茶室空間から、しつらえの代表格である花、茶碗、茶器、茶杓といったさまざまな道具、
果ては懐石や菓子、当然、抹茶まで。
茶の湯という文化を構成する要素、その魅力のひとつひとつを広く、かつ狭く、デザインの観点から可能な限り解きほぐして味わいつくすこと、それが本書の目的である。
そうです。

確かに、かなり掘下げていますし、視点が淡交社的でないところがイイです。
歴史ある伝統文化ではありますが、新しいものの考え方、捉え方で、本は編集されています。

老若男女に触れていただきたい本です。
茶の湯の接し方が、いい意味で刺激され、変化するような気がします。

余談ですが、美術館へ行った時、必ず覗くのがミュージアムショップですが、この本に出会った国立博物館は専門書の数が凄かったです。

正倉院柄のあれこれ、尾形光琳の絵を意匠したクッキーボックスなどの雑貨も充実していました。
入場しないと立ち寄ることができない場所でもあるので、必ず寄ることをお奨めします。
ちなみに上野公園内の美術館で無料で入場できるミュージアムショップは、西洋美術館にあるそうです。


Amazonでは、この本の詳しい説明が、書かれています。


  長板のお点前
今年で三回目になります。
以前は、掟破りで小間でお稽古をしていました。
このお点前は、広間で行なうのが原則だといいます。

長板は、畳前縁から十六目向こうに据え、風炉を長板左方に置いて釜をかけ、右方に水指を置き合せます。
風炉釜と水指との間、向こうに柄杓・荘り火箸を仕組んだ杓立、その前に建水を荘付けます。
これを総荘(そうかざり)と呼び、先に述べたように小間の席では、使いません。

長板のお点前は、台子(だいす)のお点前が転化して作られたといいます。
次回は台子のお点前を教えていただくのですが、
村田珠光から竹野紹鷗、千利休に至って台子の茶の湯が完成したそうです。
色々な点茶の方法がその後考えられましたが、全て台子の式法がベースになっているのだそうです。
台子を元にして様々な棚物が作られたといいます。
長板も台子の地板を元にしてできたものということです。

お点前で変わったところは、
杓立の前の建水を両手で取り、左膝に置いた後に、杓立の荘火箸を、右手で抜いて持ち、建水の間を低く通って柄杓の扱いのように持ち替え、左手で長板の左端の畳に、火ばしのもとを3センチほど出して置くという点です。

これを仕舞いつけの時も同じように行ないますが、建水は持ち帰り、同じ場所には蓋置が置かれます。
水次で水指に水を入れ、水屋に戻り、お道具拝見が終わり、席入りする際、
きれいにした建水を持って正面に座ります。
そして、いったん膝前に置いた建水に蓋置を入れ、長板に荘ります。
下の写真のように、また最初の形に戻るわけです。

染付祥瑞の皆具 (かいぐ)をお借りしました。
皆具とは、茶の湯で、台子(だいす)や長板に飾る茶道具一式をいうそうです。
通常は、水指・杓立て・建水・蓋置きの四器が同一の作りのものをいいますが、最近では、風炉・釜も統一した意匠のものがあるそうです。


広間で長板のお点前、しっくりきますぅ〜。

HPで長板のお点前、アップしています。


茶の湯の掛物は、茶席のために書かれたものの他、そうでないものでも茶会の趣旨に適っていればかけることができるのだそうです。

大別すると書、画、書と画が一緒になった画賛の三種となるそうです。
書には、一行書、古筆(和歌巻の切(きれ)、色紙、懐紙、短冊、経切など)消息があるそうです。

これまで、こちらの茶室でお借りしていた掛物のほとんどは禅語の書でありました。
一行書です。
それについて、調べてみました。
たとえば4月。
3月はこちらです。

今回は、画賛という分類のものです。
山水画賛のようですが、どのような賛をしているのかわかりませんでした。
しかしながら、その掛物に描かれたバランスの美しさ、僅かですが、心に響きました。


5月、風炉に変わって、花入も籠を用意しました。
花を用意してくださっている先生はこの器をご覧になっていないので、今回は銅製をイメージされていたといいます。
花は、テンナンショウですが、さすがです。先生。
しっくりとした姿です。

アオテンナンショウでしょうか?
他はこちらから。



今回教えていただくお点前が、長板ということもあって、広間をお借りしました。
その茶室から望める新緑。
これもひとつの【しつらえ】 と、呼ぶのでしょうか?


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