7月は、夏休みをいただきました。
なので、約二ヵ月ぶりのお茶のお稽古です。
それくらい間が開くと、頭は真っ白。
お点前の記憶ははるか彼方です。
けれど、茶室に入って、湯の沸く音や床の茶花、そしてお茶をいただくと、この時間をあらためて、貴重な時間だということを感じます。

8月、それも今年は本当に酷暑で、35℃を越える猛暑日もかなりありました。
翌日の23日は処暑で、暑さも和らぐはずなのに、日差しはまだ真夏の光を感じ、釜を前にお点前をすることは、拷問に近いとさえ思えるほどです。
夏の茶の湯は修行ですな。
家に戻って、帯を解くとおそろしいほどの汗をかいていました。

先生も、夏は、いつもならお休みとおっしゃいます。
けれど、無理言って、お願いしました。感謝!
月に一度、この時間を持てることが、本当に楽しみですし、格別なのです。

今日、お軸は6月と同じになってしまいました。
「三級波高魚化龍」 香林書というお軸です。
この説明は、6月27日のブログに記しましたので、ご覧になってみてください。

茶花は、先生のお住まいがある富士吉田で、咲き始めたという吾亦紅(われもこう)と、釣船草(つりふねそう)不如帰(ほととぎす)。
花が帆掛船の形に似ているという「釣船草」、虫食いも景色になって風情があります。



先日の茶の湯デザインの本と同じ出版社から出ているこの本を、三井美術館のミュージアムショップで見つけ、やっぱり購入してしまいました。

千利休。
「茶の湯」を完成させたお方として、茶の湯をかじった輩だけではなく、戦国武将好きの歴女、大河好きの老若男女、いえいえ誰もがその名を知っている伝説的なお人です。
「手柄」、「過ち」、いづれなのかとクエスチョンするタイトルをつけて発売された本ですが、【功罪】という言葉をよくぞ選ばれたという思いがいたします。

茶人である編集者は、優れたデザイナーでもあった千利休を、日本初の「クリエイティブ・ディレクター」としてとらえ、実に興味深く掘下げています。

大阪商人の息子として生まれたためにその隠れたDNAは、茶道具を高値で売るという行為にも発展させたですとか、商人として成し得なかった無の境地から、生まれた原動力だとか、面白い尺度で解明しています。

プロダクトから空間、さらにはグラフィックやイベント・プロデュースにいたるまで、あらゆる分野に才能を発揮し、比類なきデザイン性の高い様々なものたちがあるわけですが、茶道具だけでなく、利休が遺したものを写真付きであれもこれもと紹介しています。

茶の湯の三巨人の違いや、各分野のクリエイターが語る利休像も面白い。

茶の湯とは何かを知らない私でも、充分楽しめた一冊です。
茶の湯は総合芸術だといいますから、物を作り出す方々には、何かをインスパイアーしてくれる気がします。

購入したpenブックスの本のブログ
【茶の湯デザイン】の記事
【もっと知りたい戦国武将】の記事

ペンブックス 千利休の功罪 (Pen BOOKS)


台子は、南浦紹明が入宋して法を受け、帰朝の際、風炉皆具一式と共に、筑前の崇福寺に伝えたのが始まりだそうです。
その後、この皆具が、京都紫野大徳寺に贈られ、一休宗純から村田珠光が台子の法を嗣ぎ、この台子によって初めて点茶式方が組み立てられたそうです。

さらに幾代か経て、紹鴎から千利休に至って、台子による茶の湯が完成させたということです。

その後考えられた数々の点茶方法は、すべてこの台子の式法が根本になっているそうです。
この台子を元として、様々な棚物が作られ好まれてきたといいます。
長板も台子の地板を元にしてできたものだということです。

真塗を基本として、及、爪紅、竹、高麗などの台子があるそうです。
台子には、風炉釜、水指、杓立、建水、蓋置を荘るのを原則として、総荘します。
杓立には、差し通しの柄杓と荘り火箸を入れて用います。

この日、お借りした台子は竹台子です。
釜は、富士釜を選びました。

そして、総荘の際、天板に置かれた棗は、芦二蛍蒔絵です。
季節を愛でたことはもちろんですが、ホタルの意匠、とても豪華でした。


上の写真は、茶碗を持って入り、水指前に置き合わせをした時のものです。

台子のお点前はこちらから。


お稽古をさせていただいているお茶室は、お道具もお借りできるのですが、お軸もその一つです。
順番に違うお作品を、一つずつと思っているのですが、今まで、お借りしていた掛け軸は、禅語のものばかりでした。
今回はというと、「三級波高魚化龍」 香林書というお軸でした。

三級波高魚化龍(さんきゅう なみたこうして うおりゅうとかす)
これは、一行書として書かれる、お言葉でした。
中国の夏王朝を開いた禹が、黄河の治水をした際、三段の瀧ができ、これを登る魚は龍になるという故事より、転じて鯉のぼりや登竜門という言葉が生まれ、立身出世の志を表しているのだそうです。 

前回、茶の湯の掛物は、茶席のために書かれたものの他、そうでないものでも茶会の趣旨に適っていればかけることができるのだと、軸の種類などを含め紹介いたしました。
大別すると書、画、書と画が一緒になった画賛の三種。
今日のお軸は、画賛かと思っていましたが、そうではなさそうです。

この言葉は、男児の節句にぴったりなのだといいます。
転じて鯉のぼりというところから、そういうことになるでしょう。
立身出世、男子の望むことでもあります。

「登竜門」 の 『竜門』とは、黄河上流にある竜門山を切り開いてできた急流のことで、その竜門を登りきった鯉がいるならば竜になるということですから、険しい道も切り開いていけば、何者かになれるという意味にもとれますでしょうか?
この日に選んだお軸もこういう解釈でしたら、不適切ということもなさそうです。

 
先生が可憐に籠に活けてくだった花は、シモツケ、アスチルべ、春咲き秋明菊です。

シモツケは、下野の国(栃木県)に多いからということでこの名前になったそうです。
五弁の小さな花がたくさん集まっている花で庭木としても栽培されています。
アスチルベは、ギリシア語で「輝いていない」という意味だそうなのですが、一つ一つの花は小さいけれど、その形態は特徴があり、変化のつけやすい花材のような気がいたします。
春咲き秋明菊の名前の由来は、花の姿が秋明菊(キンポウゲ科、イチリンソウ属)に似ていて、春に咲く事から名づけられたそうですが、北アメリカの湿潤な草原に生える多年草で、現地ではメドウ・アネモネ(別名:カナダ・アネモネ)と呼ばれているそうです。

先生がご持参してくださった香合
今年の干支。寅が描かれています。
エスニックな民芸品は、蔽と通風を両立させた簾戸に様変わりした、風炉の茶室には似合いの茶道具という印象がいたしました。
夏の佇まいに、いい雰囲気です。


茶道をたしなむ方にぜったいオススメの品です。
 
先日、【細川家の至宝】を観に国立博物館へ行った時に出会いました。

雑誌penが単行本になったシロモノです。
このところ、書店に立ち寄る時間がないものですから、全く知りませんでした。
シリーズで、何冊か出ているようです。
この他に興味をそそったのは、【千利休の功罪】 というタイトルのもの。

この本は、Penで大好評だった「茶の湯デザイン」の1+2を再編集、大幅増補した完全保存版だそうです。

商品の説明から抜粋しますと、
受け皿となる茶室空間から、しつらえの代表格である花、茶碗、茶器、茶杓といったさまざまな道具、
果ては懐石や菓子、当然、抹茶まで。
茶の湯という文化を構成する要素、その魅力のひとつひとつを広く、かつ狭く、デザインの観点から可能な限り解きほぐして味わいつくすこと、それが本書の目的である。
そうです。

確かに、かなり掘下げていますし、視点が淡交社的でないところがイイです。
歴史ある伝統文化ではありますが、新しいものの考え方、捉え方で、本は編集されています。

老若男女に触れていただきたい本です。
茶の湯の接し方が、いい意味で刺激され、変化するような気がします。

余談ですが、美術館へ行った時、必ず覗くのがミュージアムショップですが、この本に出会った国立博物館は専門書の数が凄かったです。

正倉院柄のあれこれ、尾形光琳の絵を意匠したクッキーボックスなどの雑貨も充実していました。
入場しないと立ち寄ることができない場所でもあるので、必ず寄ることをお奨めします。
ちなみに上野公園内の美術館で無料で入場できるミュージアムショップは、西洋美術館にあるそうです。


Amazonでは、この本の詳しい説明が、書かれています。


  長板のお点前
今年で三回目になります。
以前は、掟破りで小間でお稽古をしていました。
このお点前は、広間で行なうのが原則だといいます。

長板は、畳前縁から十六目向こうに据え、風炉を長板左方に置いて釜をかけ、右方に水指を置き合せます。
風炉釜と水指との間、向こうに柄杓・荘り火箸を仕組んだ杓立、その前に建水を荘付けます。
これを総荘(そうかざり)と呼び、先に述べたように小間の席では、使いません。

長板のお点前は、台子(だいす)のお点前が転化して作られたといいます。
次回は台子のお点前を教えていただくのですが、
村田珠光から竹野紹鷗、千利休に至って台子の茶の湯が完成したそうです。
色々な点茶の方法がその後考えられましたが、全て台子の式法がベースになっているのだそうです。
台子を元にして様々な棚物が作られたといいます。
長板も台子の地板を元にしてできたものということです。

お点前で変わったところは、
杓立の前の建水を両手で取り、左膝に置いた後に、杓立の荘火箸を、右手で抜いて持ち、建水の間を低く通って柄杓の扱いのように持ち替え、左手で長板の左端の畳に、火ばしのもとを3センチほど出して置くという点です。

これを仕舞いつけの時も同じように行ないますが、建水は持ち帰り、同じ場所には蓋置が置かれます。
水次で水指に水を入れ、水屋に戻り、お道具拝見が終わり、席入りする際、
きれいにした建水を持って正面に座ります。
そして、いったん膝前に置いた建水に蓋置を入れ、長板に荘ります。
下の写真のように、また最初の形に戻るわけです。

染付祥瑞の皆具 (かいぐ)をお借りしました。
皆具とは、茶の湯で、台子(だいす)や長板に飾る茶道具一式をいうそうです。
通常は、水指・杓立て・建水・蓋置きの四器が同一の作りのものをいいますが、最近では、風炉・釜も統一した意匠のものがあるそうです。


広間で長板のお点前、しっくりきますぅ〜。

HPで長板のお点前、アップしています。


茶の湯の掛物は、茶席のために書かれたものの他、そうでないものでも茶会の趣旨に適っていればかけることができるのだそうです。

大別すると書、画、書と画が一緒になった画賛の三種となるそうです。
書には、一行書、古筆(和歌巻の切(きれ)、色紙、懐紙、短冊、経切など)消息があるそうです。

これまで、こちらの茶室でお借りしていた掛物のほとんどは禅語の書でありました。
一行書です。
それについて、調べてみました。
たとえば4月。
3月はこちらです。

今回は、画賛という分類のものです。
山水画賛のようですが、どのような賛をしているのかわかりませんでした。
しかしながら、その掛物に描かれたバランスの美しさ、僅かですが、心に響きました。


5月、風炉に変わって、花入も籠を用意しました。
花を用意してくださっている先生はこの器をご覧になっていないので、今回は銅製をイメージされていたといいます。
花は、テンナンショウですが、さすがです。先生。
しっくりとした姿です。

アオテンナンショウでしょうか?
他はこちらから。



今回教えていただくお点前が、長板ということもあって、広間をお借りしました。
その茶室から望める新緑。
これもひとつの【しつらえ】 と、呼ぶのでしょうか?

 



釜と炉や風炉との間に透き間を作るために用いる拍子木形の木片を、「透木(すきぎ)」というのだそうです。

この「透木」を風炉の季節には、風炉の肩に置き、炉の時期には炉壇(炉縁を受けている石炉または土壁で塗り上げられた火炉の出っ張り)に置きます。そこへ釜の羽を当てるようにしてかけます。
そうすることで通風をよくすることができるのだそうです。

そしてこの時、用いる釜を透木釜といいます。

特色は高さが低めで、釜の羽が帽子のつば状に付いていることです。
よく、茶道具を見に美術館へ行くと出会っていたのですが、いったいいつ使うものなのか?
と思っていました。

今回、丁度、桜のこの時期に、
『桜川地紋透木釜』 を、お借りすることができました。

少し暖かくなっての炉の季節。
火を見せないための配慮でもあると聞きました。

お茶ごころ、お道具たちにもたくさん隠れているようです。

 
3月と同じ長板を教えていただきました。
本当なら、このお点前、広間でするお点前なのだそうですが、本日は小間。
やはり、少し窮屈な感じはしましたが、このお点前、なんだかとっても品格を感じるお点前です。

この日のお軸。
”松無古今色”(まつにここんのいろなし)

「松に古今の色無し、竹に上下の節有り」というのが、全句だそうです。

松は春夏秋冬、一年を通じ、季節の変化に関わらず、常に常に青々としてその色の変わることはなく緑の葉におおわれています。
周囲に惑わされることなく、変わらない心で生きたいものである。
竹には上下の節があります。
それぞれの立場をわきまえてこそ、秩序も保たれる。
私心を捨てて、互いに助け合っていきたいものである。

物事をみるには、変らないものと、変るものとの二つの視点が必要である。
そういったことを教えてくださる禅語のようです。


茶花は山吹。
富士宮からやってきましたが、東京でも花かいどうと並んで姿を目にするようになりました。
青銅耳付の花器に、黄の香合が鮮やかです。

 
14日の日曜日、お稽古をしました。
お点前は初めてする長板でした。

そしてこの日のお軸。
”白雲抱幽石 (はくうんゆうせきをいだく)”
深山幽谷の中、騒々しい世間を離れて一人超然とした脱俗の心境を詠った寒山の詩の一節だそうです。

寒山(かんざん)とは、人の名前で、唐の時代に天台山というところに拾得(じっとく)という禅僧と住んでいて詩や書を書いたそうです。
その人物たちが残した詩が、”寒山詩”と呼ばれているといいます。

幽石とは、幽寂(奥深くもの静かな)な石のことを表していて、「白雲抱幽石」で、白雲が幽寂な石を包み込んでいるだけという、侘びた住まいの様子を表しているそうです。

7月頃によくかけられるという方のブログを拝見したのですが、その頃にかけるものなのでしょうか?
表装が爽やかな水色で、初夏の空をイメージした印象を受けました。
また、この禅語がそのような印象を醸し出しているかもしれません。


茶花は雪柳とフリンジ咲き系のチューリップ
花器は鉄釉鳥文方形花瓶。

選んだ時、こんなに大きな花器だと思わなかったのですが、先生が素敵に生けてくださいました。

雪柳は葉が柳の葉に似て細長く、枝いっぱいに 白い花を雪が積もったように咲くところからその名がつけられたそうです。
花がたくさん散ったあとの地面は、雪が積もったように見えます。

別名は「小米花(こごめばな)」 と言うそうです。           
白い小花を雪ではなく、米に見立てたということですか…。

似た花にこの時季、小手鞠もありますが、子供の頃、群生したこの雪柳が春の訪れを告げるように咲いていた姿を鮮明に覚えています。

最近、チューリップもこんなフリンジやフリル、そして尖ったものなど、色も様々。
こんな和風の床の間に、合うんですね。
さすが!先生デス。


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