

京都の【鶴屋壽】さん。
こちらは嵐山で、最初に桜餅をつくりはじめた老舗で、桜餅を「さ久ら餅」と表記しています。登録商標!
お箱には、京ブランド認定品。京都吟味百撰シールも貼られていました。
お店の名前が書かれているお品書きをみると、そこに書かれたURLはsakuramochi.jp 桜餅ひと筋!そのこだわり、感じました。
桜餅は、桜の名所として知られた江戸・向島(むこうじま)の長命寺が発祥の地として一般的に広く知られています。
享保2年(1717)、桜並木の落葉掃除に追われた同寺の門番・山本新六が考案し、売り始めて二百八十年余、隅田堤の桜と共に名物となった話は有名ですね。
通常の桜餅は餅1個に対して、桜の葉1枚ですが「長命寺桜もち」は、2、3枚を使用しています。
特徴は、“柔らかさ”と上品な甘さのこし餡です。
関東の桜餅に使うお餅は、小麦粉から出来ていますが、
関西は、道明寺糒(どうみょうじほしいい)を使って、ムチムチプツプツとした感触のお餅を作ります。
京都で見られる桜餅は、道明寺餅を薄い桜色に染めてあるのが一般的で、お店によって、様々な工夫をこらし、京都らしい、桜餅を作り上げています。
こちら鶴屋壽さんの「嵐山桜餅」は道明寺製。
姿は、はんなりしていますが、むっちりですね。
古来の製法を用いた関西独特の「道明寺糯(ほしいい)」を使い、塩漬けした伊豆の大島桜の葉で包んでいます。
また、この「さ久ら餅」は、通年、販売しているそうです。
本来の白い色をそのまま生かし、餅特有の弾力と優しい食感を併せもっていて、上品な甘さのこし餡が、贅沢に使われた二枚の塩漬けされた桜葉の香りが口いっぱいに広がり、引きたてられている感じがしました。
前述の【長命寺】桜もちの桜葉は、香り付けと保湿のために使っていて、食べるためのものではないそうですが、【鶴屋壽】さんの「嵐山桜餅」の桜葉は、葉脈も柔らかく、美味しくいただいちゃいました。
博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)によれば、桜餅はすでに天和3年(1683)、京都に存在するようです。
大田南畝(おおたなんぽ)の随筆『一話一言』(一)に登場する京御菓子司
「桔梗屋」の河内大掾が菓子目録「御菓子品々」の中に“さくら糖”、
菓子目録「御茶菓子丸蒸物類」の中に“さくらもち”を載せたといいます。
だとすれば、享保2年(1717)、桜並木の落葉掃除に追われた同寺の門番・山本新六が考案は、後ということになりますが…。
果たして、どちらが先なんでしょう?
私は東京人ですが、桜餅は道明寺製のものが好みです。
この日、桜餅の他、
滋賀【いと重菓舗】「彦根路」、京都【長久堂】「きぬた」いただきました。
webからご覧くださいませ。
- 2008.12.19 Friday
- 和菓子
- 19:34
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- by kisetsuomederu