美術鑑賞が続いております。
乃木坂に出る用事があったので、
ならば、我が家からアクセスの良い「国立新美術館」なので行ってしまえ〜と、思いました。
こちらは、地下のミュージアムショップも魅力的ですしね。
今回の展覧会は、幅広いテートの収蔵作品から『光』というテーマで作品をチョイスしてあるとのこと。
そもそもテート美術館をわたしは知らないので、調べてみました。
テート(テイト) (Tate) は、イギリス政府の持つイギリス美術コレクションや近現代美術コレクションを所蔵・管理する組織で、ロンドンなど各地にある国立の美術館を運営する。
発端は、砂糖精製、特に角砂糖の特許買収・製造で財を成したサー・ヘンリー・テートが、自身のイギリス同時代絵画のコレクションを1889年にナショナル・ギャラリーに寄贈しようとしたこと。
しかし当時、所蔵する場所がない、と、拒否。
紆余曲折あって、
「テート・モダン」
「テート・ブリテン」
「テート・リバプール」
「テート・セントアイブス」
の、テートの名を冠する4つを
国立美術館の連合体である「テート」と改組された。
〔所蔵されている作品は、テートコレクションだけではない〕
テートのコレクションは4つの館が共有する一体のものであり、定期的に各館でのコレクションの移動が行われている。
(Wikipediaより)
そのテートの18世紀末から現代までの約200年間の現、近代の作品が、
今回は『光』というテーマで、
さまざまなアーティストの作品から
厳選されて公開となったというわけです。
120点の中から
まずは「光の画家」と呼ばれるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの作品。
『湖に沈む夕日』1943年
自然の光を瞬時にとらえて表現した絵画は、輪郭がぼんやりとして溶け込んでいます。
同じくターナーの
『光と色彩(ゲーテの理論)ー大洪水の翌朝ー創世記を書くモーセ』(1843年)
ドイツの作家ゲーテは、
「全ての色彩は、光と闇の唯一の組み合わせである」と『色彩論』で説きました。
ターナーはそれに影響されて、直感的、科学的アプローチをした作品を制作したそうです。
ターナーはイギリスの作家で、ターナー賞というのがあるくらい重要な画家だそうです。
ジョセフ・ライト・オブ・ダービー
『トスカーナの海岸の灯台と月光』
同じくダービーの
『噴火するヴェスビオ火山とナポリ湾の島々を臨む眺め』
ジョン・コンスタブル
『ハムステッドヒースのブランチ・ヒルポンド、土手に腰掛ける少年』
1825年
光の加減とともに雲が変化する様子を細密に描写し、変化する自然の風景をとらえようとしています。
同じくジョン・コンスタブル
『ハリッジ灯台』1820年
自然を理想化するのではなく、忠実に描くことを目指したコンスタブルは、
風景画に革新をもたらした画家だそうです。
白い絵の具を散らすことで、水面のきらめきを表現するような特徴的な手法をしばしば使ったそうです。
ジョン・エヴェレット・ミレイ
『露に濡れたハリエニシダ』
1889年-1990年
この作品は、
「木の霊が放つ力強い声」に着想を得た、
と、言われているそうです。
神秘的な風景画は、印象的な代表作品『オフィーリア』(1852)の作者であることを深く感じました。
ジョン・ブレット
『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』1871年
クロード・モネ
『エプト川のポプラ並木』1891年
この作品は、23作の連作のうちの一番気に入っていると言われている作品。
光が風景に与える影響とその変化。
巧みですね。
カミーユ・ピサロ
『水先案内人がいる桟橋、ル・アーブル、朝、靄がかかった雲天』
アルフレッド・シスレー
『春の小さな草地』1880年
草間彌生『去ってゆく冬』2005年
この作品でも水玉は健在。
水玉にくりぬいた中を覗くと、
こんな世界が見えてきます。
さすが、世界の草間彌生ですね。
とても魅力的に感じました。
ヴィルヘルム・ハマスホイ
『室内』1899年
淡い光を効果的に描くことで室内の静けさ、空気の冷たさなどの感覚を観る人に与えています。
ワシリー・カンディンスキー
『スウィング』1925年
色同士の関係性が生み出す視覚的効果を探求。
カンディンスキーと云ったら、このような色の組み合わせ、ですね。
ブリジット・ライリー
『ナタラージャ』1993年
ペー・ホワイト
『ぶら下がったかけら』2004年
この辺りから現代作品が展示されています。
この作品、惹かれました。
ぶら下がった色紙は影になり、光をも感じます。
ゲルハルト・リヒター
『アブストラクト・ペインティング(726)』1990年
日本でもその名が浸透しつつあるリヒターの作品は、日本初公開だそうです。
リヒターの作品は、光を透かして、何かが奥に見えてくるような気がします。
スティーヴン・ウィラッツ
『ヴィジュアル・フィールド・オートマティック No.1』1964年
ピーター・セッジリー
『カラーサイクルlll』1970年
プログラミングによって一定の時間で変化する光が当てられている作品。
色と光を一貫して追求したイギリスの作家だそうです。
デイヴィッド・バチェラー
『ブリック・レーンのスペクトル 2』2007年
『私が愛するキングス・クロス駅、私を愛するキングス・クロス駅 8』2002-07年
オラファー・エリアソン
『星くずの素粒子』2014年
作者は、人々が周りの環境とどのように関わるのかが制作における重要なテーマだそうです。
なんだか作品と一体感を感じることができました。
最終章の大型空間芸術作品の展示が素敵だったので、
歴史的作品の光と現代作品の光。
その変化が面白かったです。
- 2023.07.27 Thursday
- 美術館・ギャラリー
- 12:44
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- by kisetsuomederu